デリーで女性の飲酒運転が0のカラクリ

3月13日付けのタイムズ・オブ・インディア紙に下のような記事が出ていた。

  • Drunk driving: No woman fined in city in 2017, one this year
  • Only 2% of drivers involved in crashes are women

 これは、3月12日未明に女性運転手による飲酒運転の死亡事故があり、その関連記事として取り沙汰されていた事実である。

 記事によると、2017年に警察が把握した女性運転手による飲酒運転は1件もなく、2018年ではこれが女性による最初の飲酒運転事故であった。果たしてインドの女性は飲酒運転をしないのか、それとも、別の原因があるのか。そもそも、インドにおいて女性が交通事故を起こす件数や割合はどうなのだろうか。

 3月16日付けのデリー・タイムス紙(タイムズ・オブ・インディア紙の折込紙)にも、その件に関して少しだけ詳しい記事が掲載されていた。これらを併せて考察してみたい。

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Dangal

ンドのスポーツ業界ではクリケットが一強状態にあり、それがその他のスポーツの発展を阻害してきた。ただ、クリケットはオリンピックの種目になっておらず、国際的なスポーツ大会が開催されると、それ以外のスポーツにも一時的にスポットライトが当たる。しかしながら、インドは、世界第二の人口を擁するにもかかわらず、なかなか多くのメダルが取れない。それでも、五輪においてテニス、ウエイトリフティング、射撃、ボクシング、レスリング、バドミントンなどで徐々にメダルを獲得し、それらのスポーツの認知度も少しずつ上がっていった。また、2008年にクリケットのプロリーグであるインディアン・プレミア・リーグ(IPL)が設立されて以来、インドでは様々なスポーツのプロリーグが立ち上げられてきた。サッカー、カバッリー、バドミントン、異種格闘技などなどである。レスリングについてもプロ・レスリング・リーグが2015年に始まった。一昔前に比べれば、スポーツにもようやく多様性が出て来たと言えるだろう。インドでクリケットがもてはやされたのは、カースト制度と関係しているという説もある。カースト制度の考え方では、自分より低いカーストの者との接触、特に汗などに触れることを忌避する傾向にあり、接触の多いスポーツは不適である。クリケットは接触の少ないスポーツなので、インド人がすんなり受け入れやすかった。インドで伝統的に盛んな近代スポーツを見てみると、確かに人と人との接触が少ないスポーツが多い。ゴルフ、テニス、ポロ、射撃などなど。どれも貴族のスポーツである。それでも、最近はそういう考え方も薄まってきており、それがスポーツの多様化に貢献していると思われる。

 ヒンディー語映画の世界でもスポーツ映画がジャンルとして確立したのはそれほど古いことではない。長い間、「スポーツ映画はヒットしない」というジンクスが信じられて来ており、スポーツ映画は敬遠されてきた。それを打ち破ったのがアーミル・カーン主演の時代劇クリケット映画「Lagaan」(2001年)であった。この映画の大ヒット以降、徐々にスポーツ映画が作られるようになり、ヒット作も生まれるようになった。やはり題材となるスポーツはクリケットが多かったが、ホッケー、ボクシング、陸上競技など、それ以外のスポーツを題材にした映画も果敢に作られるようになった。そして2016年に立て続けに映画の題材となったスポーツがレスリングである。ひとつめはサルマーン・カーン主演「Sultan」(2016年)。そしてふたつめがアーミル・カーン主演「Dangal」である。奇しくも同年に公開されたこの2作品だが、前者が一度引退したレスラーの復活劇である一方、後者は引退したレスラーが娘を国際的レスラーに育て上げるまでを追った物語であり、アプローチの仕方が全然違っていて面白い。

Dangal

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