Ukraine 2019

高校時代の友人がウクライナ人と結婚し、ウクライナの首都キエフで結婚式を挙げることになった。今までウクライナとはほとんど接点がなかったのだが、それでも全くなかった訳ではない。例えば、デリーの語学学校でヒンディー語を勉強していた際、ウクライナからの女子留学生が何人か来ていた。当時は全精力をインドに集中していたため、ウクライナに関心を抱く暇はなかったのだが、唯一興味を持ったのは、ウクライナの地でキリスト教が受容される前に信仰されていた宗教だった。彼女たちの話では、ヒンドゥー教と非常に共通点があるとのことで、その研究をしている人もいた。そういえば、ウクライナの国章はトルィーズブ(三叉戟)だが、これはシヴァ神の持つトリシュール(三叉戟)とよく似ている。ウクライナに行くことがあれば、何かインドとの接点が見つかればと密かに思っていた。

ウクライナの国章
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2019年8月20日 | カテゴリー : 旅誌 | 投稿者 : arukakat

Chornobyl Tour

小学生の頃、突然、「雨に当たってはいけない。はげるから。」と言われ始めたことがあった。遠くの国で大変なことが起こり、危険な物質が風に乗って運ばれて日本まで到達し、それが雨と一緒に落ちて来るというのだ。子供は得てして雨に濡れることを楽しむものだが、それを聞いて恐怖し、以後、なるべく雨には濡れないように心掛けるようになった。今から思い起こせば、それがチェルノブイリの最初の記憶であった。

 1986年4月26日深夜、旧ソビエト連邦のチェルノブイリ地区で稼働していた原子炉のひとつが実験運転中に制御不能に陥って炉心溶融を起こし、水蒸気爆発を起こした。その結果、大量の放射性物質が大気中に放出され、風に乗って近隣諸国に広がり、降り注いだ。国際原子力事象評価尺度で最悪のレベル7と評価される大事故であった。「チェルノブイリ」という一見舌を噛みそうな地名は、当時を生きた全ての人々の脳裏に恐怖と共に半永久的に刻まれた。

チョルノーブィリ(チェルノブイリ)
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