Dilwale

ローヒト・シェッティーと言えば、ヒンディー語映画界において数々のヒット作を送り出して来たヒットメーカーである。アクション映画とコメディー映画が持ち味で、どちらかと言えば細かいことを無視した大味な作品を作る映画監督だ。メッセージ性は低いが、ヒット率が高いため、業界の中で一目置かれている存在である。2015年12月18日公開の「Dilwale」は、シェッティー監督の11作目の作品である。

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Sonu Ke Titu Ki Sweety

インド映画の世界には、固い友情で結ばれた不朽の男性コンビやトリオがいくつか存在する。いわゆるバディー・フィルムであるが、もっとも代表的なのは「Sholay」(1975年)のジャイとヴィールー(アミターブ・バッチャンとダルメーンドラ)である。他にも、「Dostana」(2008年)、「3 Idiots」(2009年)、「Zindagi Na Milegi Dobara」(2011年)など、いくつかの例を挙げることができる。2018年2月23日公開の「Sonu Ke Titu Ki Sweety(ソーヌーのティートゥーのスイーティー」もバディー・フィルムの一種と言える。だが、とてもユニークな三角関係を題材にした映画だ。

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Ujda Chaman

若年性脱毛症を主題としたヒンディー語映画としては、アーユシュマーン・クラーナー主演の「Bala」(2019年)が有名だが、その2週間前の2019年11月1日に公開された「Ujda Chaman(荒れた花畑)」も同様の主題の映画であった。主題が似ているだけでなく、映画が最終的に主張するメッセージも共通している。また、両方とも秀逸な作品であり、比較して鑑賞するのは面白い。ちなみに、「Ujda Chaman」はカンナダ語映画「Ondu Motteya Kathe」(2017年)のリメイクである。

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Baaghi 3

若手で一番のアクションスター、タイガー・シュロフを看板とした「Baaghi」シリーズは、「反逆者」というその題名の通り、タイガー・シュロフが社会や組織の枠組みの外にいながら大活躍する様子を描いたアクション映画として確立している。その第3作「Baaghi 3」は2020年3月6日に公開された。ただし、「Baaghi」シリーズは、題名こそシリーズ物であるが、ストーリー上の連続性は全くないと割り切っており、「Baaghi 3」にも、「Baaghi」や「Baaghi 2」から受け継いでいる要素はほとんど見受けられない。ほぼ唯一の共通点は、タイガー・シュロフが主演ということのみだ。

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Baaghi 2

2016年に公開されたヒンディー語アクション映画「Baaghi」は、カラリパヤットゥを主題にしたマーシャルアーツ映画であり、主演タイガー・シュロフの鮮やかな身のこなしが見所の爽やかな娯楽活劇であった。興行的にもスマッシュヒットとなり、気を良くしたプロデューサー、サージド・ナーディヤードワーラーは続編の製作を決意した。「Baaghi 2」は2018年3月30日に公開となった。ただ、インド映画のシリーズ物は、国民性なのか、それとも諸事情があるのか、ストーリー上の連続性を持たせずに続編を作ることが多く、「Baaghi」シリーズについても、主演タイガー・シュロフと主役の名前くらいが受け継がれているだけで、「Baaghi 2」は前作とはほぼ別物の映画となっている。

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Baaghi

スター俳優にとって、代表作と呼べる作品を持つことは非常に大事だ。それがシリーズ物ならばなおのこと良い。シリーズ化されるためには第1作をヒットさせなければならず、それが自信の主演作として何作も続くとなれば、スターパワーの証明になるからだ。ジャッキー・シュロフの息子として鳴り物入りで2014年にデビューしたタイガー・シュロフは、早くも「Baaghi(反逆者)」シリーズという代表作を持っている。第1作の「Baaghi」は、2016年4月29日公開された。マーシャルアーツをテーマにしたアクション映画である。

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Bareilly Ki Barfi

ヒンディー語映画の製作拠点はマハーラーシュトラ州ムンバイーだが、ヒンディー語の本拠地はウッタル・プラデーシュ州などの北インドである。このねじれが、ヒンディー語映画にもねじれをもたらしていた。例えば、ヒンディー語映画はムンバイーを舞台とすることが多いのだが、ムンバイーの地元言語はマラーティー語で、このずれが映画に写実性の欠如をもたらすことがあった。ただ、21世紀に入り、デリー、ラクナウー、カーンプルなど、北インドの都市を舞台にした映画が増加し、真の意味でのヒンディー語映画が模索されるようになった。2017年8月18日公開の「Bareilly Ki Barfi(バレーリーのバルフィー)」は、題名にある通り、ウッタル・プラデーシュ州のバレーリーを舞台にした映画だ。バレーリーはちょうどデリーとラクナウーの中間点に位置する。題名に特定の地名が入る例は今までもあったが、バレーリーのような地方都市がわざわざ題名になる例は稀である。最近だと「Gangs of Wasseypur」(2012年)くらいか。また、バルフィーとはインド菓子の一種である。ちなみに、ヒンディー語映画「Barfi!」(2012年)とは無関係である。

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Tanhaji

2015年から17年に掛けて、テルグ語映画「Bahubali」シリーズがインド全土を席巻したことにより、ヒンディー語映画界でも「Bahubali」スケールの叙事詩的映画が製作されるようになった。「Padmaavat」(2018年)、「Thugs of Hindostan」(2018年)、「Manikarnika: The Queen of Jhansi」(2019年)、「Panipat」(2019年)などである。2020年1月10日公開の「Tanhaji」も、1670年2月4日のスィンハガルの戦いを描いたエピック映画である。2020年のヒンディー語映画でもっともヒットした映画となった。

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Bala

世の中に完璧な人はそうおらず、人はそれぞれ自身の何らかのことにコンプレックスを抱いているものだが、そのコンプレックスを逆手に取って、もしくはそのコンプレックスを助長することによって、金儲けをしようとする業者も多い。割と達観しているように見えるインドでもコンプレックス商法は隆盛しており、新聞、雑誌、TVなどで、人のコンプレックスを刺激する広告を目にする。男性にとってコンプレックスのひとつは髪の毛であり、女性にとっては肌の色である。インドでは、男性は髪の毛のある内に結婚するように言われるし、肌の黒い女性はあらゆる場面で不利となる。2019年11月7日公開のヒンディー語映画「Bala」は、若年性脱毛症に悩まされる青年と、肌の黒い女性を主人公にしたコメディータッチのソーシャルドラマである。

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Panga

2010年代のヒンディー語映画は「女性」が大きなキーワードだった。その中のひとつとして、「主婦」または「母親」を題材にした映画の増加が目立つ。「English Vinglish」(2012年/マダム・イン・ニューヨーク)がその先駆けであるが、他にも「Tumhari Sulu」(2017年)、「Mission Mangal」(2019年)など、主婦や家庭を切り盛りしながら働く女性が主人公の映画が多数作られて来た。また、2010年代は、女子スポーツに焦点が当てられた10年でもあった。もっとも早い例では既に「Chak De! India」(2007年)があったが、2010年代に入り、「Mary Kom」(2014年)、「Dangal」(2016年)、「Sultan」(2016年)など、女子スポーツ選手を題材にした映画が作られた。2020年1月24日公開の「Panga」は、それら2つの潮流を受け継ぐ作品と言える。元女子カバッディーのインド代表選手が一児の母になった後にカムバックする物語である。

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