Kaagaz

自分が自分であることの証明をどのようにすべきか、日本に住んでいる限り我々はあまり意識しない。日本には戸籍制度があり、生まれたときから書類に存在が記録されるため、自分の存在を証明するために苦労することはないからだ。自分が生きている限り、自分が生きていることを証明することはたやすいと考えがちである。だが、例えば一度海外に出てみると、我々の存在を保証するものは我々自身ではなく、パスポートやヴィザなどの書類となることに気付く。戸籍制度のない国では、出生証明書、卒業証明書、結婚証明書など、人生の節目で入手できる書類がその人の存在の証明となっていく。では、もし生きているにもかかわらず誤って死亡証明書が出てしまったら?その人は生きながらにして死人となってしまうのか?書類上、死人となってしまった人は、どのように生きているということを証明すればいいのか?そんなことを考えさせられる物語が、2021年1月7日からZee5で配信中のヒンディー語映画「Kaagaz(紙)」である。生きながらにして書類上死人とされてしまった実在の人物ラール・ビハーリーの半生をもとにした伝記映画である。

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