Nail Polish

新型コロナウイルス感染拡大により映画館が閉鎖されたことで、新作映画が映画館での公開を経ずにオンライン・プラットフォームで公開される事例がインドでは急増した。いわゆる「配信スルー」の映画はインドではOTT(Over The Top)と呼ばれている。だが、大スターを擁した大予算型の映画は依然として映画館公開を基本としており、OTTの映画はどちらかというと低予算型の映画が多い。ただ、その中には小粒でもピリリと辛い作品が見受けられる。2021年1月1日にZee5で配信開始された「Nail Polish」も、OTTとしては高い評価を受けているサイコスリラーである。

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Fitoor

インドでも映画と文学の関係は古く、昔から文学作品の映画化は行われて来た。インド国内の文学のみならず、外国の文学も原作となることがある。例えばシェークスピアの作品群のいくつかは、何らかの形で映画となっている。「マクベス」を原作とした「Maqbool」(2004年)、「オセロ」を原作とした「Omkara」(2006年)、「ハムレット」を原作とした「Haider」(2014年)は、全てヴィシャール・バールドワージ監督の作品で、どれも名作である。他にも、ドストエフスキーの「白夜」を原作にした「Saawariya」(2007年)、ジェーン・オースティンの「エマ」を原作にした「Aisha」(2010年)、オー・ヘンリーの「最後の一葉」を原作にした「Lootera」(2013年)などがある。

 2016年2月12日に公開された「Fitoor」は、チャールズ・ディケンズの代表作「大いなる遺産」を原作としている。監督は「Kai Po Che!」(2013年)のアビシェーク・カプール。主演はアーディティヤ・ロイ・カプールとカトリーナ・カイフ。タブー、アディティ・ラーオ・ハイダリー、ラーラー・ダッター、アジャイ・デーヴガンなどが脇役出演している。プロデューサーは、アーディティヤ・ロイ・カプールの兄、スィッダールト・ロイ・カプールである。ちなみに、題名の「Fitoor」とは、心が弱まっている状態のことを指す。

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Te3n

韓国映画を公式・非公式にリメイクしたヒンディー語映画は意外と多い。有名なところでは、「オールド・ボーイ」(2003年)のリメイクの「Zinda」(2006年)や「猟奇的な彼女」(2001年)のリメイクの「Ugly Aur Pugli」(2008年)、「国際市場で逢いましょう」(2014年)のリメイクの「Bharat」(2019年)だが、他にも多くの映画の類似が指摘されている。「Prem Ratan Dhan Payo」(2015年)も、「王になった男」(2012年)のリメイクとされている。リブ・ダースグプター監督のスリラー映画「Te3n」も、韓国映画「悪魔は誰だ」(2013年)の公式リメイクである。

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The Girl on the Train

記憶喪失は、古今東西の映画でよく使われるギミックである。インド映画でも、「Henna」(1991年)、「Kyon Ki…」(2005年)、「U Me Aur Hum」(2008年)、「Ghajini」(2008年)など、記憶喪失を扱った作品は多い。2021年2月26日にNetflixで配信開始されたヒンディー語映画「The Girl on the Train」も、記憶喪失の女性を主人公としたサスペンス映画である。

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