Bareilly Ki Barfi

ヒンディー語映画の製作拠点はマハーラーシュトラ州ムンバイーだが、ヒンディー語の本拠地はウッタル・プラデーシュ州などの北インドである。このねじれが、ヒンディー語映画にもねじれをもたらしていた。例えば、ヒンディー語映画はムンバイーを舞台とすることが多いのだが、ムンバイーの地元言語はマラーティー語で、このずれが映画に写実性の欠如をもたらすことがあった。ただ、21世紀に入り、デリー、ラクナウー、カーンプルなど、北インドの都市を舞台にした映画が増加し、真の意味でのヒンディー語映画が模索されるようになった。2017年8月18日公開の「Bareilly Ki Barfi(バレーリーのバルフィー)」は、題名にある通り、ウッタル・プラデーシュ州のバレーリーを舞台にした映画だ。バレーリーはちょうどデリーとラクナウーの中間点に位置する。題名に特定の地名が入る例は今までもあったが、バレーリーのような地方都市がわざわざ題名になる例は稀である。最近だと「Gangs of Wasseypur」(2012年)くらいか。また、バルフィーとはインド菓子の一種である。ちなみに、ヒンディー語映画「Barfi!」(2012年)とは無関係である。

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