「パタック」など

なぜインドのトイレ普及率は5割以下なのか(東洋経済ONLINE)

 スラブ・インターナショナルの創始者の名前はビンデーシュワル・パータクである。特に「パータク」の部分に気を付けてもらいたい。

 他には、「モディ」はモーディー、「マハトマ・ガンディー」はマハートマー・ガーンディー、「ムンバイ」はムンバイーとするとより良い。

 ところで、本文中に「人々が屋外に排泄した物は、モヘンジョダロ(インダス文明の都市遺跡)の時代から、アンタッチャブル(不可触民)の階層の人々が、手で処分をしてきたという事情があるからだ。」とさも定説のように書いてあるが、そんなことが分かっているのだろうか。いい加減なことは書かない方がいいだろう。

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モーディー政権閣僚カタカナ表記

 ナレーンドラ・モーディー新政権の閣僚が公表され、日本でも報道されているが、カタカナ表記が酷いことになっているので、ここでまとめて、より正しい表記を記しておく。大臣については今後変更になることもあるのだが、ここでは2014年5月28日現在のものにしておき、間違いの修正を除いて更新はして行かない。

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「ジャイトリー」「デーパック」「ビベック」「アービンド」など

焦点:インド版「サッチャー改革」へ、政権交代目指すモディ氏が描く未来(ロイター)

 インドの下院総選挙が始まったことで、日本でも「世界最大の選挙」が報道されるようになって来ている。ただ、不慣れな記者が書いていることが多いようで、カタカナ表記まで手が回らないようだ。上記の記事にもいくつか突っ込み所がある。

 その中でもここで特に取り上げたいのは、インド人民党(BJP)の政治家アルン・ジェートリーである。英語アルファベットでは彼の名字は「Jaitley」と書くので、どうしても「ジャイトリー」などと表記したくなってしまうが、ヒンディー語表記を見れば、これがジェートリーであることは明白である。BJPが与党となった場合、要職に就任する可能性が高い政治家なので、予めここで一石を投じておく。

 また、BJPの首相候補はナレーンドラ・モーディーと綴るのが最上だと考えているが、長母音の省略ならば容認する姿勢なので、この記事通りでもいいだろう。

 「デーパック・カント」はディーパク・カーント、「ビベック・デブロイ」はビべーク・デーブローイ、「アービンド・パナガリヤ」はアルヴィンド・パナガーリヤーにすると一番文句が出ないだろう。

 他に、「アマルティア・セン」は個人的にはアマルティヤ・セーンとしているが、これはかなり細かい訂正になる。

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「タクール」など

インド女性暴行死事件、上告した2被告の死刑執行延期(AFPBB News)

 2012年12月のデリー集団強姦事件の関連記事。逮捕された被告たちの名前が挙がっている。丁寧にアルファベットを添えてカタカナ表記されているが、それぞれに言いたいことがある。その中で今回特に取り上げたいのは「タクール」である。これは正しくはタークルと読む。アジア初のノーベル文学賞受賞者ラヴィーンドラナート・タゴールの「タゴール」も実はこのタークルが英語訛りしたものだ。地域によって異なるが、この名字は地主階級を示し、ヒンディー語圏ではラージプート、ベンガル地方ではブラーフマンであることが多い。

 他に、「ビナイ・シャルマ」がヴィナイ・シャルマー、「ムケシュ・シン」がムケーシュ・スィン、「パワン・グプタ」がパワン・グプターとなると、僕の定めたカタカナ表記原則に適合することになる。

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「ブパシ」など

「デリーに行こう!」美貌の女社長と無責任中年男、インド発の人情ロードムービー(MSN)

 2月15日(土)からヒンディー語映画「デリーに行こう!」(原題「Chalo Dilli」)が劇場一般公開される。それに関連した記事であるが、やはりカタカナ表記に突っ込み所が目立つ。それらの多くは、字幕や配給元に起因するものが多いのだが、この記事の中で一番気になったのは、主演女優の夫の名前である。マヘーシュ・ブーパティが正しいのだが、「マヘシュ・ブパシ」となっている。これは、以前取り上げた「セス」(参照)と全く同じミスで、「th」をサ行で翻字してしまう習慣が抜けていない。マヘーシュ・ブーパティはインドを代表するテニス選手でもあり、間違えてもらいたいくないので、ここで改めて強調させてもらった。

 主演男優の名前も正確ではない。「ビナイ・パタック」となっているが、本ブログが推奨しているのは「ヴィナイ・パータク」である。

 他に気になったのは、「ムンバイ」→ムンバイー、「ミヒカ」→ミヒカー、「ラーラ・ダッタ」→ラーラー・ダッター、「ジャイプール」→ジャイプル、「マヌ」→マンヌーなどである。

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「アムリツァル」など

インド黄金寺院籠城排除 英、部隊関与認める(東京新聞)

 この記事の中ではいくつか指摘したい部分があるのだが、その中でも筆頭なのが、パンジャーブ州の都市「アムリツァル」である。これは是非アムリトサルとして欲しい。この語の構成はアムリト(甘露)+サル(湖)であり、分けて読んだ方が分かりやすい。

 他に気になったのは「インディラ・ガンジー」である。これはインディラー・ガーンディーが最も正しい。

 あとは、「パンジャブ」をパンジャーブに、「ヒンズー」をヒンドゥーに、「イスラム」をイスラームにしてくれれば完璧である。

 ちなみに、グル・ナーナクが開祖の宗教のことを僕はスィク教としているが、シーク教でもいいだろう。

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「オート・リックショー」など

日系電動バイクのテラモーターズ、インド進出へ(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 インドに1度でも旅行したことがあるのなら、絶対に犯さないミスが見受けられたので紹介させてもらう。オート・リクシャーのことを「オート・リックショー」としているのである。これは「Auto Rickshaw」をそのまま読んでしまったためであろう。オート・リキシャーでもいいが、「オート・リックショー」だけは許容してはならないだろう。

 他に、本ブログでは「アーメダバード」をアハマダーバード、「ハイデラバード」をハイダラーバードと表記することを推奨しているので、いい加減聞き入れてもらえればと思う。

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「サトヤ・ナデラ」など

米MS、CEOにナデラ氏 ゲイツは技術アドバイザー(Yahoo!ニュース)

 インドにとっては非常に大きなニュース。IT企業大手のマイクロソフトCEOにインド人が就任。マイクロソフトのインド支社が拠点を置くハイダラーバードの出身だ。日本のメディアでは新CEOの名前は「サトヤ・ナデラ」となっているが、カタカナ表記原則から言えば、サティヤ・ナーデッラが正しい表記となる。確か、かつてインドに存在したIT企業Satyamのカタカナ表記はサティヤムで通用していたと記憶している。SatyaとSatyamは同じ単語であり、統一するのが賢明であろう。「サトヤ」にすべき強い根拠はない。また、名字の方はテルグ文字に依るとナーデッラである。

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「パンチャヤット」など

集団レイプの刑を命じたインドの村、自治組織「パンチャヤット」とは(AFPBBニュース)

 西ベンガル州で起こった事件を扱った記事。まず、インドの農村の年長者会議のカタカナ表記が間違っている。「パンチャヤット」とあるが、これは正しくはパンチャーヤトである。また、この記事を読むとパンチャーヤト全体が悪のような印象を受けるが、パンチャーヤトはインドの伝統的な農村自治組織であり、独立後に正式に行政組織に組み込まれた制度である。誤解を招く恐れのある題名だ。

 記事の中には「カップ・パンチャヤット」なる組織も出て来る。これは正しくはカープ・パンチャーヤトである。カタカナ表記も問題なのだが、それよりもさらに大きな問題は、西ベンガル州で起こった事件にカープ・パンチャーヤトを結び付けている点である。確かにカープ・パンチャーヤトは、非合法に司法権などを行使して名誉殺人などの事件を度々起こしている。だが、カープ・パンチャーヤトは、ジャートと呼ばれるコミュニティーが多く住んでいるパンジャーブ州、ハリヤーナー州、ウッタル・プラデーシュ州西部に特徴的な制度であり、西ベンガル州は関係がない。今回、集団レイプを命じた組織はシャリーシー・アダーラト(Shalishi Adalat)と呼ばれており、西ベンガル州を長年支配して来た左翼政党の遺産である。

 他に、「カビタ」がカヴィター、「ディヴィヤ・アイヤー」がディヴィヤー・アイヤルになるとベターである。

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「セス」など

スズキ、インドに新工場建設へ―新たに100%子会社設立(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 インドの自動車業界において圧倒的なシェアを誇るのがスズキである。その現地子会社名は一般に「マルチ・スズキ」とされるが、ヒンディー語専門家の立場から言ったら、正しくはマールティー・スズキとなる。「マルチ」は「マルチメディア」や「マルチプル」の「Multi」ではなく、インドの神様ハヌマーンの別名であり、現地の文化を尊重するならば、これは「マールティー」としなければならない。ただ、企業名であるし、当該の企業がその日本語名を「マルチ・スズキ」と頑強に主張するならば、こちらから強く修正を求めることはできないだろう。

 今回目に付いたのはその企業名ではなく、同社のトップにいる人の名前である。本文中に「セス最高財務責任者」または「セスCFO」なる人物が出て来るが、これは正しくは「セート」である。ヒンディー語の「th」を英語の慣習に従ってサ行にしてしまう人が多いのだが、いい加減改めていただきたい。ヒンディー語の「th」はタ行で音訳する。

 他に、同社の会長として「バルガバ」という人名が出て来るが、これもバールガヴァになると申し分ない。

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